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タイルとは
タイルってそもそも何ですか?
タイルは英語で「tile」と書き、その語源はラテン語のテグラ「tegula」で、物を覆うという意味です。
この語源のとおり、タイルは建物の壁や床を覆う陶磁器製の建築材料のことを指します。
タイルの定義
粘土またはその他の無機質原料で形をつくり、要求される品質特性が得られるように 高温で焼成された、
厚さが40mm未満の板状の不燃材料で、主に壁や床の装飾や保護のための仕上げ材料として用いられます。
湿式押し出し成形またはプレス成形によるものと、うわぐすりを施した施釉タイルと施さない無釉タイルとがあります。
(陶磁器質タイルの定義 2008改正JIS A5209による)
タイルの4つの用途
1. 内装タイル
2. 外装タイル
3. 床タイル
4. モザイクタイル (一枚の表面積が50㎠以下で通常、台紙貼りされているもの)
一般的に日本のタイルは、外装タイルやモザイクタイルの種類が多く、
海外のタイルは、床タイルや内装壁タイルの種類が多いです。
タイルの見分け方3つのポイント
1. うわぐすりの有無による区分
●施釉タイル Glazed tile(うわぐすりのかかっているタイル)
施釉タイルは、釉薬に含まれる顔料により表面の色をつくります。
●無釉タイル Unglazed tile(うわぐすりのかかっていないタイル)
無釉タイルは粘土自体に含まれる鉄分などの呈色によるもの(土もの)と、
白地の素地に顔料を添加配合して着色するもの(練り込み)があります。
近年は技術の進歩により、両者の中間のようなものもあります。
2. 作り方による区分(成型方法の違い)
●湿式成形タイル プレス成型 (Pressed)
湿式成形とは、含水率の高い素地原料を押出成形機によって板状に押し出し、
所定の形状・寸法に切断して成形する方法です。
●乾式成形タイル 押し出し成型 (Extruded)
乾式成形とは、微粉砕された含水率の低い素地原料を、高圧プレス成形機で所定の形状・寸法に成形する方法です。
3. 吸水率による区分
【JIS A 5209 (1994)による区分 】
●磁器質 (吸水率 1.0%以下)
磁器質の素地は透明性があり、緻密で硬く、打てば金属のような清音を発し、破砕面は貝殻状を呈します。
●せっ器質 (吸水率 5.0%以下)
せっ器質のタイルは、磁器質のような透明感はありませんが、焼き締まっていて吸水性が小さいのが特徴です。土物タイルと呼ばれるものは、せっ器質の区分に含まれるものが多くあります。
●陶器質 (吸水率 22.0%以下)
陶器質の素地は多孔質で吸水性が大きく、叩くと濁音を発します。
【JIS A 5209(2008)による区分】
●Ⅰ類(吸水率 3%)以下
●Ⅱ類 (吸水率 10.0%以下)
●Ⅲ類 (吸水率 50.0%以下)
基本的には、吸水率が低いほど磁器の性質を現すことから、かつては、吸水率だけで分類されていました。しかし、技術の発達もあり、最近の製品の中には、吸水が高くても磁器の性質をもつものや、低くても陶器のような性質をもつものがあり、かならずしも吸水率だけで、磁器・せっ器・陶器と判断することは難しくなり、そもそも、吸水率で敷居値を設けて、単純に磁器・せっ器・陶器と区別するのは違うという判断もあり、それらに一線を設けた形となっています。
磁器質、せっ器質は内・外装、床全てに使われますが、陶器質は内装に使われます。 ただし、用途は使用部位、形状、重量などの要因によっても、向き不向きがありますので、メーカーに確認する必要があります。
なお、2008年のJIS改正により測定方法が自然吸水から強制吸水へ変更されたため、磁器質やせっ器質などの呼び名からⅠ類~Ⅲ類という呼び名に変わりました。
タイルの素晴らしさ
Beauty on surfaces 美観
焼き物ならではの多種多様な形状と素材感があります。
気品に満ちた美しい外観は、他の素材では表現できません。
清潔でお手入れが簡単です。
Life cycle cost ライフサイクルコスト
タイルは吹付け材に比べてイニシャルコストは高くなりますが、
塗り替えが必要なく、補修・改修費用も少ないため、
新築から建物の寿命までのライフサイクルコストは安くなります。
住宅の長寿命化にも最適です。一般的な塗装に比べ、ランニングコストがほとんどかかりません。
Eco friendly materials 人と環境にやさしい
タイルは無機質で耐摩耗性、耐薬品性、対候性、耐火性に優れた最も自然に近い建築材です。
特に人体に影響があるホルムアルデヒトをはじめとした揮発性有機化合物(VOC)を含有、放出しません。
アレルギーの原因となるダニ、カビなども簡単に除去できます。
タイルの選び方
どうやって選ぶの?
まず、どこに使うかを考えましょう。
使う場所によってタイルを選びます。
用途マークを参考にしましょう。
玄関
玄関外 すべりにくい外床◎表記のタイルを選びましょう。
但し、すべりにくいタイルは汚れやすいです。白など薄い色をお選びの場合は、お掃除が不可欠です。白でも、少し色のついたオフホワイトやクリームがかった色ですと汚れが目立ち難いです。
玄関内 内床◎表記のタイルでOKです。但し、雨天時に靴についた水や泥を持ち込むとすべりますので注意してください。
お年寄りやお子さんのいる家庭では、外にマットなどひくように注意しましょう。
マンションなどエントランスからの導線が長く、水やほこりを比較的持込みにくい場合は、屋外床○でもOKです。
キッチン
キッチンは、カウンターの前の壁や側面にタイルを用いる場合が多いでしょう。一番に気になるのが、汚れです。表面がザラザラしているものよりも、釉薬に光沢があるものが汚れが落ち易いです。色はシンプルなものをベースに、正方形ですとかわいく、長方形を横使いするとモダンな感じになります。
モザイクタイルを用いたモダンでかわいいキッチンも人気です。
下地に合った、最適なタイルのサイズも考えてみましょう。
重要になのは、開口部(窓)の周りのタイルの貼り方です。
開口周りのタイルは、可能な限り 切断加工しないで、
タイルが納まるようにした方が、より見栄え良く仕上ります。
浴室
基本は単色もしくは2色までの配色でしょう。たとえば浴室では、床タイルと壁タイルは同じ色、もしくは同系色でまとめるのが一般的です。床は壁より濃いめの色を持ってくる方が落ち着きます。
最近は、内装壁タイルも大型化しています。壁の大型のタイルは目地が少なくてすみますので、お掃除が楽です。種類も豊富になってきていますので、使ってみてはいかがでしょうか。
また水の掛かりの多いところでは、吸水性の低いタイルを使用し,しっかりした施工をする必要があります。浴槽まわりや床には、磁器(JISⅠ類)素材がおすすめです。
浴室の床にはすべりにくいタイルが必須になります。